「な、なにを・・・」
先ほどまで二人が睦み会っていたベットに押し倒された比伊呂は、未だに自分の置かれた立場が理解できずに、混乱していた。
「かわいいね、HI−RO。3人でするセックスは気持ちいいよ? した事ないの」
淳士はニコニコと笑いながら、比伊呂に圧し掛かる。
「ねぇ、HI−RO。気持ちよくして欲しい? それとも啼かせて欲しい?」
ペロリと紅い舌が、淳士の唇を舐める。
その表情は、男が見せるモノと変わりなかった。
「ネコ同士が、いちゃついてんじゃねーよ」
淳士の背後から降って来た言葉に、比伊呂の躯はピクリと反応する。
「いいじゃん。俺は基本的にネコなんだけど、なんか比伊呂にはそそられる。謙司も、HI−ROを苛めないの。お前の言葉にいちいちビクビクしてるじゃん」
可愛そうに、ねぇ?
敦士は、ヨシヨシと比伊呂の頭を撫でた。
普段甘やかされ馴れている比伊呂は、敦士の久しぶりの甘やかしにうっとりと身を委ねる。
「淳士、比伊呂を甘やかさないでくれ。躾けている最中なんだ」
「いいじゃん、お前の玩具で遊ばせてくれても、さ」
淳士の口から平然と漏れた『玩具』という言葉に、比伊呂はギョッと彼を見た。
どこかで、それを否定しもしかしたら今の現状を救ってくれるかも―――と、思う比伊呂がいたからだ。
だが、男の友人は、友人だった。
「来いよ、謙司。俺はHI−ROを啼かせてみたい。おもしろいじゃん、普段お人形のようにしてプライドだけで生きているHI−ROに、俺のを咥えさせてお前が後ろから攻めるの。考えるだけで、ゾクゾクする。・・・はやく、見たい」
男以上の、快楽主義者だった―――
「あっ、あ・・・!」
「感じやすい躯だね。淫乱なんだ、比伊呂」
ベットにうつ伏せにされ腰だけをあげあられた状態で、比伊呂は後孔に淳士の指を受け入れていた。
ジェルを塗りたくられ、そこからはジュルジュルと淫猥な音が漏れだしている。
「どうしようかな。俺が挿れようか。それとも、謙司が挿れる?」
話を振られた男は、にやりと笑った。
「お前、ネコだろ? コイツに挿れれるのか?」
「うーん、HI−ROなら挿れてもいいかな・・・なんて」
比伊呂の判らない会話が続けられる。
「お前、比伊呂の挿れろよ。俺が比伊呂に挿れる」
「うわ、HI−RO真ん中ではさんじゃう? 面白そうだね」
どうやら二人の間で、話し合いは終ったらしい。
淳士が再び、比伊呂に覆いかぶさってきた。
「しっかり勃てるんだ。俺の中に挿れるように」
ほとんど勃ちあがっていなかった比伊呂のそれを淳士は咥えると、激しく舌を絡めれた。
「うっ・・・あっ―――」
今まで比伊呂のを咥えて奉仕してくれたどの女よりもそれは上手くて、比伊呂のそこは一気に熱くなる。
「俺上手いでしょ、HI−RO。すげぇ、どんどん大きくなってるよ」
咥えながら喋る淳士に、さらに刺激される。
「そろそろ、いいでしょ。HI−RO、いくよ?」
そういうと淳士は比伊呂に跨り、己の秘部にジェルを塗りこめた。
「俺がやってやろうか?」
「いいよ、さっきまで謙司の挿れてたんだし、けっこーほぐれてる」
男の言葉に、淳士は笑って男の手を拒む。
「HI−RO、すぐ出さないでね。俺をイかせるんだよ」
淳士はニッコリ笑うと、腰を落とした。
「・・・っ」
―――うわっ。
淳士の内部の締め付けに、比伊呂はグッと息を呑む。
比伊呂のソレを淳士の後孔はどんどん呑み込み、内部は誘い込むようにまとわりつく。
今まで、味わったことのない・・・快感だった。
「俺の中、イイ?」
淳士は小さく息を乱しながら、さらに比伊呂を呑み込もうと腰を揺さぶる。
「・・・すご、」
襲ってくる射精感を、必死に耐える。
先ほど淳士にも言われたが、こんなにスグにイクのは口惜しかったから。
「HI−ROのも、なかなかイイ・・・硬くてっ・・・んっ」
頬を上気させながら、喘ぐ淳士は綺麗だった。
もっと深い悦楽を求めて、比伊呂も無意識に腰を動かしていた。
「淳士、そろそろコッチも行くぞ」
「ああ、じゃ、体位変えるね」
二人の会話の意味は、比伊呂には判らなかった。
目の前の淳士が、比伊呂を抱き寄せると「このまま、正常位になって」と自分の躰を倒していく。
比伊呂は慌てて淳士の腰を持ち、ベットに横たえていた己の躯を起こした。
そのまま淳士に圧し掛かり、足に腕を絡める。
そのまま攻めようと腰を動かし始めた時、比伊呂の背後から腕がまわって来た。
「ぁ―――」
「力むな。痛い思いをするのは、お前だぞ」
耳元で囁かれる男の声に、ゾクリと躯を震わせる。
男は比伊呂の腰を掴むと、そのまま背後より挿って来たのだった。
「あっ・・・! ああっ・・・」
「す、凄い。ビクンビクンいってるよ、HI−ROの」
淳士の声も聞こえないぐらい、比伊呂は与えられる悦楽に翻弄されれていた。
前は淳士の中で締め付けられ搾り取られるように誘い込まれ、後は男にガンガンに攻め立てられる。
息も絶え絶えに、比伊呂は喘ぐしかなかった。
「比伊呂、どうだ? 気持ちいいいか?」
男の質問に、首を縦に振る。
「声だして、言ってみろ」
男の低い声は、魔術のようだ。
比伊呂は、その声にその言葉に、従い跪いてしまう。
「イイ・・・。すげぇ、イイよ―――」
比伊呂の言葉に、淳士がギュッと自分の内部にいる比伊呂自身を締め付ける。
「何処が、いいの?」
淳士に問われ、感じた事をそのまま口にする。
「前も、後も・・・イイ。熱くていっぱい締め付けられて、奥にガンガンに熱いの当たって・・・おかしくなる」
前と後の刺激に、比伊呂はプライドを揺さぶられる。
このまま、この悦楽に身を沈めてしまいたい―――と。
「おかしくなっちゃえよ」
「おかしくなってしまえ」
二人の言葉に、比伊呂は肯きながら、もう声にならない声をあげるしかなかった。
部屋に響く、躯がぶつかり合う音。
喘ぎ声と、激しい息遣い。
「イっていいよ、HI−RO。あとで俺のを咥えてね」
二人の男に翻弄されながら、比伊呂は自分の中で何かが壊れてしまったように感じた。
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