7000HIT記念
視線で殺して、魂で縛れ!


 とにかくその日から、英治は水島を避けた。
 水島の激情が恐かったのだ。
 授業で水島のクラスに行っても、視線も合わせなかったし、水島がいるのを見かけたら、遠回りをしてでも鉢合わせしないようにした。
 話しかけようと近寄ってくる水島に気付いては、違う生徒に話しかけ自分の方へと近付いてこないように牽制し、まとわりつく熱い眼差しも全て無視した。


◇◆◇◆◇


 ――――よかった。今日も何とか切り抜けた・・・。
 2−3の教室を出て、英治はホッと息をついた。
 最近、水島は苛立ったように、授業中難しい質問を英治に投げかけてくる。
 英治もそれに必死に答える、という緊張した授業時間を過ごしていた。
 教室の前で深呼吸をして、英治は準備室に戻ろうと顔を上げた。

 ガラッ

 後ろで扉の開く音がした。

 ドクンッ
 心臓が大きく鳴る。

 恐る恐る振り返ると、そこには秋良が立っていた。
「先生。悪いけど、退いてくれない?」
「あ・・・ああ。ゴメン。」
 ドアの脇によると、秋良はフッと笑って
「おつかれさん」
 と英治の肩を軽く叩いて、廊下を歩いていった。

 秋良・・・・・・。
 やっぱり、どこかアキラに雰囲気が似ている。

 そう思い至った所で、英治は深く溜息をついた。

 最近、何かとアキラのことばかり考えてる。
 こんなにアキラのことを考えてるなんて・・・。
 俺、おかしいんじゃないのか?
 それくらい、俺はアキラに会いたいって事だろうか―――?

 英治は悶々とアキラの事を考え込みながら、準備室へ戻った。


◇◇◇


 空き時間に、英治は小テストの丸付けをしていた。
 他の教師はみんな授業で出ていて、準備室には英治一人だった。

 うーん、結構はかどったなぁ。
 伸びをして、コーヒーを飲もうと立ち上がる。
 人の気配―――?
 何気なく、英治は振り返った。

「み、―――水島!!」
 準備室の扉の所に、水島が無言で立っていた。

「麻生先生・・・。どうしたんですか、何、泣きそうな声出してるんです」
 優しそうな声。
 労るように、囁く声。
 だが、顔は違った。
 歪めた口元。
 ―――眼鏡の奥の目は、冷たく光っていた。

「お・・・おまえ、授業は―――」
 後ずさる。
「相変わらず、まじめな教師なんですね。・・・・・・・・・・虫ずが走る!!」
 無表情の水島は、一直線に英治の隣に迫ってきたと思ったら、いきなり足払いをかけた。
「うわ―――――」
 バッターン
 英治は腰を思いっきり打ち、痛みに脳しんとうを起こしかける。

「だめですね。受け身が全然なってませんよ、先生。」
 優しい優しい、声。
 それが―――――恐い!

 とにかく逃げようと、痛みを我慢しながら英治は這って扉に向かった。
「逃がすわけ―――ないでしょう!」
 水島はそう叫ぶと、逃げだそうとしている英治に近づき、腰を掴んでベルトを引き抜くと、ズボンと下着を一気に下ろす。
 英治はとにかく、腰を掴んでいる水島の手を離そうと、必死に暴れた。
 抵抗する英治に水島は焦れはじめたのか、剥き出しになっている下半身に手を伸ばした。

「やめっ!!」

 それに気付いた英治が叫んだと同時に、水島の手は下腹部の英治自身をギュッと掴んでいた。

「痛っ・・・い!」

 英治は痛みに身を固め、いっさいの抵抗を止めた。
「はな・・・・」
「す、わけないでしょう・・・痛い?麻生先生」
 クスクスクスッ
 水島の声は、笑い声と共に残酷に頭の中で響く。
「抵抗しなければ、俺は優しいんですよ・・・ねぇ・・・?」
 理不尽な言葉が投げかけられる。
 力一杯握られていた英治自身に、水島は優しく愛撫をしていく。

「んぁ・・・」

 心と反比例して、英治はどんどん高ぶる。
「くぅ・・・」
 英治は床に爪を立て、快感を必死に耐えた。

「ほらっ・・・躰はイイって云ってる・・・」
 水島の親指が、濡れはじめた先端を撫であげる。
 耳朶を咬み、舌を差し込む。
 クチュッ
 頭の中に響く音に、ゾクゾクっと背筋が泡立った。
「英治・・・イって・・・」
 熱い息と耳元で共に囁く。
 限界に打ち震えていた英治に、水島の手はキュッと力を込める。
 英治は一気に限界まで駆け上り、水島の手の中に放った。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 肩で息をし脱力する英治をよそに、水島の手は英治の双丘かかり、濡れた手を奥に滑り込ませてきた。

「や・・・!」
 この前に痛みを思い出す。
 思わず腰を引いた英治を水島はグッと引き寄せる。
「力を抜いて・・・先生が辛いだけだから・・・」
 抵抗など・・・許さない。

 クチュ・・・
 ピチャ・・・
 濡れた音が部屋内に響く。
 コレが自分の放ったのモノだと思うと、英治はゾッとした。

「もう・・・やめてくれよ・・・・・・」
「ここで、やめられるわけがないでしょう。」
「そんなに・・・俺が・・・嫌いなのか・・・・・・」
「嫌いなら、こんなコトするわけないでしょう―――?」

 抜かれた水島の指の変わりに、熱く高ぶったのモノが押し当てられる。
 英治が恐怖に逃げだそうとするところを、しっかり腰を捕み抱えられ、押し入られた。

「いた・・・いたい・・・!!」
「力抜いて・・・ほらっ・・・もう少し」
 グイグイッと水島は英治の中に入ってくる。
「ほら、全部入った―――」
「え・・・」
 前回よりも痛みが少なく、かなりすんなりと入ってしまったことに、英治は戸惑いを感じた。
「本当は顔を見ながらがいいんですけど・・・バックの方が負担はラクだから」
 水島はそういいながら、軽く腰を使ってきた。
「あっ・・!んん・・・・」
 痛みと圧迫感。
 それだけでない、焦れったいモノを感じる。

 ―――前はこんなの感じなかった・・・!!

「あっ・・・あっ・・・」
 声が勝手に出る。
「イイ声。でも先生、ドア鍵しまってませんよ」
 意地悪な水島の声に、英治は唇を噛む。
「いいよ、我慢してる先生・・・。凄くそそられる・・・!」
 水島の掠れた声に、英治もおかしくなりそうだった。

 そうだ・・・・。
 おかしい・・・・・。
 おかしいんだ・・・・・・。

「ああんっ・・・んんっ・・・」
 自分の甘い声が遠くから聞こえてくる。

「ここ・・・?ここがイイんだ」
 嬉しそうに、腰を揺らしはじめた水島の声も遠い。

 高鳴る鼓動。
 熱くなる一方の躰。
 すべて・・・
 全てがおかしいんだ・・・・・!!


◇◇◇


 英治の体を拭き、深く唇を重ね合わせてくる水島を感じながら
 英治の頭の中は、ただ1つのことだけでいっぱいだった。



 アキラ・・・
 アキラに会いたい・・・・・・!!

続く・・・

次の更新予定は・・・カウンター8000を越えた日です。きっと(笑)

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