オマケ話ー藤岡さんが逆らえない人。ー |
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「拓巳さんって若いよね・・・」 学校の帰りに待ち合わせ、店でお茶を飲んでいた一樹は、ふと思い出したように呟いた。 その男の所為でココ最近寝不足になっている藤岡は、その言葉にピクリと反応する。 「あいつは・・・今年で確か38だぞ・・・。」 「え・・ええ?30ぐらいだと思ってたよ―――オレ。」 どうみても、30ソコソコだ。 「若作りしてるんだよ、あいつは・・・」 と、その時、藤岡の背後から、ココ毎日、聞き飽きるほど聞いている声が・・・ 「なぁに、可愛いこと云ってるんだ、零」 途端、ピクリと藤岡の表情は固まり、一樹は藤岡の背後にいる人間に笑いかけた。 「いつの間に逃げ出したと思ったら、こんな所で、一樹君とデートか?零。」 「・・・タダだと思って、足元みてるな―――」 藤岡の言葉を拓巳はニヤリと返した。 「1週間ただ働き。それが条件で色々と今回調べてやったんだ。キチンと働けよ。」 「・・・判ってる。」 不機嫌な顔をしている藤岡とは反対に、拓巳の機嫌はすこぶるよろしいようだ。 そんな二人を見ながら、一樹は前々から疑問に思っていたことを口にした。 「拓巳さんって・・・仕事何してるんですか?」 一樹の言葉に、甥っ子をいたぶっていた拓巳は、ポケットから一枚の名刺を取り出した。 『藤岡探偵事務所・所長・藤岡拓巳』 ソコにはそう書かれている。 「探偵・・・事務所?」 「そう、俺は探偵なんだよ〜」 「推理力ないくせに・・・」 ボソリと突っ込んだ藤岡を「ホントお前は可愛いよなぁ〜」と拓巳は彼の頬を抓りながら云った。 藤岡と拓巳の話を総合すると。 エリート揃いの藤岡家で、拓巳は群を抜いて賢かったらしい。 期待を一身に集め、藤岡と同じT卒業。そのまま警視庁へ。 エリートコースを先頭切って歩いていた拓巳は、突然26歳の時に退職。 そのまま『藤岡探偵事務所』を設立した。 「昔から、憧れてたんだよなぁ。うんうん。」 「その時読んでいた本に、影響されただけだろう・・・」 もちろん家族親類の猛反対似合うが、時、既に遅し。 結局、両親から縁を切られてしまう。 拓巳には、何の未練もなかったらしい。 「あの家は、俺にとっては息苦しいモノ以外、何でもなかった・・・」 縁を切ってしばらくした頃、長兄の持っていたモノでどうしても欲しい物ができ、(もちろん黙って)長兄宅を訪れたとき、大きな家で、ポツンと一人でいた藤岡に、拓巳は出会ったのだ。 「兄たちとは余り交流がなかったから、零と会うのは初めてだったんだよな。だけどコイツ可愛くなくて『僕は貴方のこと知りません』とか云って、入れてくれないでやんの。」 「父親から、叔父の話など聞かされたことがなかったからな。まぁ、縁を切った弟の話などあの人はしないだろうが。」 拓巳は、毎日毎日通い、毎日毎日藤岡追い払われた。 だが、流石に根負けした藤岡は、7日目に遂に諦めて拓巳を家に入れた。 そして毎日藤岡宅を訪れていた拓巳は、沸き上がった疑問を甥っ子に問うた。 「誰も、いないのか・・・?」 その時は、夜9時を回っていた。 「父も母も忙しいんです。別に僕一人でちゃんと留守番できます。」 「メシは・・・?」 「忠岡さん・・・お手伝いの方が、作っていってくれます。」 その言葉に、拓巳は眉をひそめた。 藤岡のその時の年齢は、7歳。 小学1年生だ。 そんな少年を、こんな大きな家に放っておくなんて――― その日から、拓巳は暇を見つけて藤岡を外へと誘った。 来たかったらいつ来てもいいから、と事務所兼自分の家である部屋の鍵も渡した。 無表情だった藤岡は、次第に拓巳にだけ少し表情を見せるようになった。 そのうち、学校の帰りには拓巳の事務所に入り浸るようにもなっていた。 そして藤岡が夢中になったのは、拓巳の部屋にずらりと並べられていた推理小説達。 こうして本を読みに拓巳の事務所通うようになった藤岡は、大きくなるにつれ拓巳が舌を巻くような鋭い推理をするようになっていく。 「ま、俺がいたから零は、グレる事もなかったんだな。うんうん。」 「小学校高学年の頃から、いいように仕事手伝わせてたくせに・・・」 「あはは、だって零の方が出来るからさ〜」 事務能力皆無。 推理力いまいち。 調査情報収集能力だけ(昔のツテや顔の広さから)最高。 それでも、拓巳が何とか探偵事務所をやっていけるのは、藤岡がいたからに違いない。 自分の親類縁者を嫌っている藤岡にとって、この叔父だけは別格だった。 鬱陶しくても、いいように使われても、決して見捨てることなど出来そうもない。 「いいなぁ・・・推理小説コレクション・・・」 推理小説好きの一樹にとって、どうやら拓巳の事務所はかなり魅力的な場所らしい。 「今度おいでよ。一樹君なら、いつでも歓迎するよ。」 「そうやって、一樹を呼んでまたいいように俺を使う気なんだろう・・・」 藤岡の恨めしい声を、拓巳は聞かないふりをした。 「さて・・・と、もうこんな時間だ。零、いくぞ」 「な・・・んで、俺が・・・」 不機嫌極まりない藤岡の肩を、拓巳は引き寄せる。 「約束―――は、守らないとね。机の上の書類・・・どうにかして欲しいんだよなぁ〜。」 「―――判りました。行かせていただきます。」 今回の事件で、美夏や林などの情報を調べて貰うかわりに、1週間のただ働きを申し出たのは藤岡自身であった。 慌てていたとはいえ、この叔父に迂闊なことを約束するとこういう目に遭うのは目に見えていたのに・・・。 藤岡は、深い溜息を吐いた。 |
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後書き・・・言い訳・・・言い逃れ |
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な・・・長かった。 長すぎましたよ・・・コレ始めたのいつ頃でしたっけ・・・。 はう・・・プロローグをUPしたのは、3月28日!!! と云う事は、約8ヶ月も連載していたことになると云うことですか!!! 長い!ちょーーーーーーーー長い!! ふぅ、皆さんお疲れさまでした。 気が付けばプロローグもエピローグも入れて17話。 水貴は今後こんな長い話は書くことはないでしょう。多分。 お付き合い下さった皆様には感謝の言葉もありません。 藤岡&一樹シリーズは、「光の奇跡」から続きは書くつもり、全くありませんでした。 番外編は書いても、本編は。 しかし掲示板に書かれた「藤岡&一樹シリーズ、新しいの読みたいです。」の言葉に、グラリ(笑)と。 頭にあったがボツっていた話「永遠の感情」を書こうと・・・決心したのです。 この話は始め「藤岡浮気話」で全5話ぐらいの予定でした。 ええ。 しかしある日、師匠Saiサンとチャット中、こういう話になりました。 「水貴ちゃん〜。藤岡は、前みたいに推理っぽいのとか書かないの?」 「推理?『闇の足跡』・・・みたいなの?」 「そうそう。」 まぁ、この後色々と話に花は咲くのですが(笑)ソレは置いておいて・・・。 (推理)サスペンスもの・・・というのに、強く水貴は惹かれ出します。 『闇の足跡』はちょいとサスペンス(?)モノでした。たぶん。 でもその後はラブラーブな話ばっかり。 ラブラブーなモノもいいけど、それだけじゃ面白くないし・・・。 うーん、原点に戻ってみるのもいいなぁ。 というわけで、丁度連載を始めた「永遠の感情」のプロットを見直す。 そして、練り直す。 で、出来上がったのが、この「永遠の感情」でした。 というほど、大層なものではありませんが・・・今回のテーマは『一樹の成長物語&藤岡さんも人間なのよ』という事でした。 まぁ、サスペンスが加わったってより一層成長物語テイストが強くなったのですが。 水貴は受けの子が女々しいのは、嫌です。(笑) だって、男なんだし。 やっぱ、お互いが支え合うっていうのが最高のスタンスかなぁ、と(・・・・・夢見る夢子ちゃん水貴は思うのです・笑) 色々書いていて、あまりにみんなクサイ事を云うので、水貴はたびたび倒れそうになりましたが・・・。(「愛している」という言葉は、関西人の水貴には、サブイボ<鳥肌>モノなのですよ・・・苦笑) まぁ、一樹君も守られるだけじゃなく、ある時は藤岡をまもってやるぜーみたいなことを書きたかった・・・らしいですよ(笑) あはは。 で、書けているかどうかは、謎です。 水貴は、今回ほど不安なモノはなかったです。 少々ややこしくしたせいか、プロット通りに書けているか。 つじつまはあっているか。 意図は皆さんに伝わっているか。 などなど・・・(この後書きも、ちゃんと書けているか不安)。 時間の経過など、細かいプロットを作ったので大丈夫かなぁ・・・とも思っているのですが、水貴の頭の中で勝手に色々変換したり、勢いで書いてしまっているところも多々あるので、恐いですね。 そういうわけで、毎回「ココ、変です」っていうご指摘が来ないか、ドキドキしていました。 今のところ・・・来ていないのでホッとしていますが(東大や関東の大学のことを少々教えて貰ったくらい) 本当は、ココ(後書き)に水貴の作った時間別のプロットの紙を載せてやろうと思っていました。 ソレの方が皆さんも、頭の中で事件の経過などを整頓しやすいかと思ったのです。 が・・・。 余りの字の汚さに断念(苦笑) 皆さん、余り深く考えないで下さいませ。 なんど「やめてやろう!」と思ったでしょう。 この連載。 しかし、沢山の方からの感想や励ましで続けられたと思います。 本当に、ありがとうございました。 藤岡&一樹シリーズの本編はコレで終わりになります。 一樹も成長し、藤岡も成長し、二人で支え合って生きていくのだと思います。 藤岡にも一樹にも、水貴は色々と勉強させていただきました。 チャットにて、色々相談にのって下さったSaiサン。 貴方がいなかったらこの話も、藤岡叔父の誕生もなかったです。 本当にありがとうございました。 そしてコレからもヨロシクです。 あの時盛り上がった「藤岡探偵物語」(爆)は・・・どうしようか?(笑) |
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この話は終わってしまいましたが、 AngelRingには、まだまだ連載中の物語が沢山(・・・ホントいっぱいあるなぁ・涙)あります。 そちらの方も、読んで頂ければ、水貴はとても幸せです。 それでは、次の作品で・・・また。
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