―――この事を思いついたのは、こんな会話を小耳に挟んだからだった。
「藤岡先輩って・・・やっぱ、綺麗だよなぁ」
「確かに。藤岡先輩自身は格好いいんだけど、藤岡先輩を表す言葉は綺麗って云うのがしっくりくるな」
「あの冷たい視線で見られた時なんか、もーゾクゾクッと」
「お前、ちょっと危ないぞ・・・」
図書室。
一樹の前の閲覧席で、異状に藤岡の話題で盛り上がっている3人の同級生達。
その会話に聞き耳を立てながら、一樹は感慨深く自分の恋人を想った。
―――確かに、零は綺麗なんだよなぁ〜。
仕草や、話すこと、考え方とかは、格好いいんだけど・・・。
顔は、スゲー綺麗だよ。
オレ、いつも見惚れちゃうし・・・。
「藤岡先輩となら、俺、男でもいいって思っちまうよ」
「うがっ、お前ホモか?!」
「そうじゃないけどさぁ〜」
「あー、俺も判る。なんか、藤岡さんの喘いでる姿とか想像してみ?」
「うっ、それは・・・・」
「だろ?!藤岡先輩なら、俺は男でも抱いてみたい!!」
「なんか、スゲー色っぽそう・・・イク時の顔とか見てみたいかも」
「そこらの女より、色っぽかったりして・・・」
「まぁ。オレ達が見る事なんて、あり得ないがなぁ」
「『スキです』なんて云ったら、凍り付くような目で睨まれそう・・・」
「今はそんな無謀なコトする人なんていないけど、藤岡先輩が1年とか2年の頃ってケッコーいたってよ」
「マジかよ?命知らずな」
「クラブの先輩に聞いたんだけどよ。1年の頃なんか、あそこまで背高くなかったらしいし、今より美少年チックだったらしくって、凄かったっていってたぜ」
「うわー。」
零・・・そんなにもてたんだ―――
しかも、零を抱きたいなんて・・・。
抱かれている身の一樹はポッと頬を赤くした。
そして、先ほどの会話を思い出してみる。
零の喘いでいる姿・・・。
イク時の顔。
―――オレ・・・見たこと無いかも。
一樹は藤岡に抱かれて何度もなるが、喘いでる藤岡を見たこともなければ、イク時の顔もキチンと見たことがなかったことに気付く。
零がイク時って、オレはもっとイっちゃってて・・・零の表情なんて見る余裕ないしなぁ。
感じて声を出す零、なんてのも見たことナイ。
だって、いつもオレが喘がされてるだけだし・・・。
見てみたい。
きっと、凄い綺麗なんだろう―――。
よしっ、今度・・・。
「ゴメン、一樹。」
「―――」
日曜日の映画の約束。
先週から、楽しみにしてた。
なのに・・・。
「どうしても、俺の手がいるって云うんだ。俺も気になるし」
科学部の実験。
どうしてもうまくいかなくて、引退してしまったが、元部長の藤岡に助けが求められた。
次の実験予定は―――日曜日。
「ほんと、ゴメン。来週は絶対空けるから」
「・・・・・」
「一樹―――」
藤岡は、一樹の目の前で本当に困った顔をしていた。
よし―――
「今から、オレの云うこと聞いてくれたら、許す。」
藤岡は一樹の言葉に、あからさまにホッとした顔つきになった。
「ああ、俺に出きることなら何でも」
「じゃ、縛らせて―――」
「縛ッ・・・・・!!」
驚いた表情の藤岡に、一樹はニッコリと笑って
「うん。零のこと、縛らせて」
藤岡は自分の身に何が起こってるのか、理解したくなかった。
目の前では、一樹が喜々として藤岡の手首をクローゼットから出してきたネクタイで、ベットに縛り付けている。
「一樹・・・?」
「なに?」
ニコッ、と笑う一樹の表情に、藤岡は弱かった。
縛り終わった一樹は、そのまま藤岡のシャツに手を伸ばしてきた。
「一樹!?」
「抵抗したらダメだよ、零。」
ボタンを外し終え藤岡の素肌を晒すと、一樹の指はゆっくりと鎖骨から下へと辿っていった。
「零ってやっぱり綺麗だね―――?」
いたずらな指は、藤岡の突起物をくすぐる。
「―――っ」
「声出してよ、零」
近付いてきた一樹の顔は、嬉しそうに輝いている。
赤い舌をペロッと出すと、藤岡の唇の周りを舐め、深く口付ける。
「ふっ、うん―――」
ここぞとばかりに、藤岡は侵入してきた一樹の舌を絡め取り、官能の世界へ引きずり込む。
一樹の目元か紅く染まり、感じきっていることが判る。
口腔内を犯そうと、藤岡が舌を差し入れかけたとき
「ダメだっ。キスだと、どうしても零にやられる―――」
一樹は唇を離してしまった。
一樹の赤い舌と唇は、藤岡のうなじを通り鎖骨をチュっと吸い上げる。
藤岡の肩がビクッと揺れるのを感じ、一樹は嬉しそうに顔を上げた。
「零、感じた?」
一樹はペロリと舌を出し、自分の唇を舐める。
藤岡はその姿に、もっと欲情した。
「じゃ、零こっちは?」
一樹の舌は、藤岡の胸の突起物を一舐め。
そして、いつも自分がされているように、軽く噛んでみたり吸い上げてみたりする。
ピチャピチャと、ミルクを飲むような音。
一樹は必死に、藤岡の尖った赤い突起物を舐めまわした。
「―――ふっ」
思わず藤岡の口から漏れた吐息に、一樹は満足する。
―――もっと・・・もっと零を感じさせたい。
一樹は藤岡のズボンに手をかけボタンを外しジッパーと下着を下ろす。
そして抵抗なく藤岡自身を、自分の口に咥えた。
「かずっ―――」
藤岡は声を呑んだ。
一樹は必死に藤岡に奉仕する。
いつも自分がされているように、口の奥まで呑み込み舌を蠢した。
くびれを丹念に舌先で刺激し、先端を吸う。
「んっ・・・!」
藤岡から漏れる声を聞いて、一樹はもっと夢中になる。
裏側を根本から舐め上げ、軽く歯を立て―――
「あぁっ―――」
色っぽい藤岡の喘ぎ声。
もう一度藤岡を含み、視線を上げると、眉を寄せ唇を噛み締めながら、自分をジッと観ている藤岡と目があう。
とてつもなく、艶っぽい表情。
一樹のゾクゾクッと、背筋に電流が走った。
それからは、もっと藤岡の声が聞きたくて、含んだ口を上下に動かしたり、手を添えて先端部分を責め立てたりした。
藤岡のそれは、一樹の口の中でどんどん大きくなり―――。
「一樹、離せっ―――」
限界に打ち震えた藤岡が叫んだ。
―――飲んでやるっ
一樹は喉の奥まで藤岡を含んだ時。
グイッと頭を抱えられ、口に含んでいたモノから引き離され―――
「あっ―――」
一樹の顔に、藤岡の欲望の証が飛び散った。
「くっ、遅かったか。ごめん、一樹―――」
「ううん。」
一樹は、ペロリと口の周りに飛び散ったモノを舐めた。
少し青臭い―――でも、零の味。
ホントは全部のみたかったのに・・・。
不満を感じ口を尖らせた一樹の顔を、藤岡はさっさと自分のシャツで拭った。
―――でも感じてる零を見れて、満足。
本来の目標を達成し、一樹はとても満足・・・したはずだったが。
「あれ?零・・・なんで・・・」
腕・・・自由になってるんだ?
そう、縛ったはずだった藤岡の両腕は、何故か一樹の腰に回っていた。
「一樹、縛り方が甘いよ。あんなのじゃ、しばらく動かしたら自然に緩んで取れてしまう」
藤岡を縛ってたはずのネクタイは、ベットの端に落ちている。
「“縛りたい”だなんて、どこで覚えてきたんだ?一樹」
ニッ、と微笑む藤岡。
この微笑みは・・・・。
「答えられないのか?悪い子だな、一樹。」
「零・・・」
「悪い子には、お仕置きしなくちゃな。なぁ、一樹」
お仕置き・・・。
学園祭を思い出す。
フルフルと首を振った一樹に、藤岡はもう一度ニッコリと笑い
「本当の縛り方を、教えてあげよう―――」
一樹の両腕を掴んだ・・・・。
そして、誰もいない藤岡邸での『お仕置き』は夜まで続き、一樹は声が出なくなるまで啼かされ続けたのである―――
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