| 卒論提出記念(笑) |
| 藤岡氏の策謀 |
| 注:『視線で殺して、魂で縛れ!』を読んでいない人には、この話はネタバレになります。 先に、『視線〜』を読んでいただけると・・・水貴はウレシイというか助かるなぁ〜(笑) |
「くっそー。あいつら、許せねー。」 さきほどから一樹は、ブツブツと独り言のように同じ言葉を呟いていた。 「あきらめろ。もう、決まった事だろう。」 そんな一樹に苦笑しながら、藤岡はフラスコで入れた紅茶を一樹の目の前に差し出した。 「んで、女の格好なんかしなくちゃいけねーんだ。」 「理事長の考えた、しょうもないイベントのせいだろう。」 学園祭を、あと1ヶ月に控えた今日。 松華学園では、特別イベントへのエントリーメンバーが発表された。 松華学園の学園祭は2日間あり、初日は自分の学校だけで、2日目は、同じ華宮学園グループであり、同じ路線にある『梅華女子』と『梗華学園』と合同で開催するのだ。 会場は毎年持ち回りで、会場となった学校では、色々な共同企画やイベントが用意される。 その中で、一番盛り上がるメインイベントは 『男装・女装コンテスト』 であった。 読んで字の如く、男子生徒は女装をし、女子生徒は男装をするという企画なのだが、ただのコンテストではなかった。 審査委員長には、華宮学園理事長・華宮栄一を迎え、その他華宮学園グループの各学長、各PTA会長とそうそうたるメンバーを揃え、各学校から5名ずつ出た代表者達は、自分の学校の名誉と期待を一身に背負う。 その為毎年、生徒会が会議を繰り返し、厳選されたメンバーが選ばれるのである。 そして今年、メンバーの一人に一樹が選ばれた。 「去年は選ばれなかったのにな〜、絶対、秋良か水島の陰謀だ〜!!あいつらクラスメイトのくせに!!!」 一樹の言い分を聞きながら、藤岡は笑い出しそうな自分を必死に押さえていた。 去年も一樹は候補だった。 それを、発表前に聞きつけた見崎が生徒会に圧力をかけたのだ。 見崎の言い分は 「これ以上虫が付くと困る」 だったのだが、自分が虫ということは、どうやらわかっていなかったらしい。 生徒会が科学部に逆らえるわけがなく、生徒会は渋々他の候補者を選んだ。 そして、今年も・・・ 「藤岡さん」 「・・・水島か、なにかようか。」 水島は、昔、藤岡が科学部に勧誘して唯一入らなかった後輩である。 1年の頃は、学年TOPの座うを今科学部に籍を置いている大津に譲っていたが、藤岡は水島の方が上だと見取っていた。 現に2年になってから水島は、1番の地位から落ちたことはない。 そんな水島を勧誘したのが藤岡で、水島はあらゆる手を使って逃げた。 その時の攻防を水島の友人であり、現会長である秋良は『狐と狸の化かし合い』と評した。 とにかく、水島は1年間逃げ回り(一度は屈服させたが、その時は手を引いた)、2年になった途端生徒会に入ってしまったので、藤岡も勧誘を諦めてしまった。 まあ、藤岡が水島の気持ちも関係なく本気で勧誘したのなら、水島は今頃、科学部員であったでだろうが・・・。 「羽田野を、例の女装コンテストのメンバーに選ぶ許可を貰いにきました。」 「・・・別に、俺に許可を求めるモノでもないんじゃないのか」 「でも、聞きに来なかったら、妨害するでしょう」 「ああ、あらゆる手を使ってな」 水島は溜息をついた。 「だから、許可を貰いにきました、頂けますね。」 「イ・ヤ・だ、と言ったら」 「藤岡さん、コレを・・・」 水島は懐から1枚の写真を出してきた。 「今回、妨害しなかったら、生徒会に保管してあるこのネガをすべてお渡しします。どうですか。」 藤岡はしばらくその写真を持ったまま固まっていたが、 フッ、と鼻で笑うと、水島を見据えた。 「俺を、脅すのか、水島」 「脅してませんよ、取引です」 実は、藤岡は一樹がメンバーに選ばれることは判っていたが、あえてジャマはしなかった。 恋人には失礼なのだが、一樹の女装姿を結構見たかったりしたのだ。 だが、こういう事をされると面白くない。 あの時のネガが残っているのも許せない。 (クソッ、全て処分したと思っていたのに。生徒会が持っているとはな) 「わかった。一樹がメンバーに選ばれても、俺は邪魔しない。」 元々、邪魔する気はなかった。 「だが、お前の愛しい人も出場させろ、それが条件だ。」 藤岡の条件に、水島は息を呑む。 「あの人は、教師です。教師は出場できませんよ。」 「それくらい、お前らなら何とでも出来るだろう。この条件が呑めないのなら、あらゆる手を使って邪魔をするし、ネガに関しても・・・何をしてでも、取り上げる」 冷めたい声で告げた藤岡に、水島は唇を噛む。 「・・・判りました、何とかします。」 その言葉に、藤岡はニヤリと笑った。 「藤岡さん、何故あの人を出場させたいんですか」 「そんなの決まってるだろう。お前への嫌がらせだ。」 「・・・だから、羽田野を選ぶのは反対したのに。」 水島は、ブツブツ独り言を云いながら、部室から出ていった。 さて、あのネガをどうやって取り戻すかだ。 この条件を出して、水島が後で素直にネガを返すとは思えない。 藤岡は水島が渡してきた写真を握りつぶしながら、そのまま対策を練ったのだった。 その写真には、チャイナドレスを着て不機嫌な顔をしながらトロフィーを受け取っている、1年生の頃の藤岡が写っていた。 このコンテストが結局どうなったかは・・・また、別の話である。 |
| あはは、どうでもいいような話です。 どっかで聞いたことのあるような方の名前が出てましたね。 ま、どうでもイイ話なんです。 そんなのを書いてみたかったんです。 というわけで、リンクを外していたんですが・・・。 思わぬ所で続きを書くことになったので、此を機に元に戻すことにしました。 やでやで。 |
| TOP |